明光 奈桜　オーナー（Rukua nail&eyelash（ルクア ネイルアンドアイラッシュ）)のインタビュー

回り道をしながらもネイリストの夢へ

中学生の頃からおしゃれに興味を持ち始め、髪を染めたりネイルをしては、学校の先生に怒られているような子でした。思い返してみれば、祖母が洋服屋でその兄弟が美容師。母は社交ダンスをやっていて、発表会前にはマニキュアやつけまつ毛で着飾る様子を見ていました。おしゃれへの関心は、そういった家庭環境から生まれたのかもしれませんね。
高校を卒業したら、ネイリストになろうと考えていました。誰からも怒られずに好きなヘアスタイルやネイルを楽しむには、仕事にすればいいと思ったからです。ところが母親には、せめて専門学校は出てほしいと頼まれ、美容専門学校では「まずは美容師になった方がいい」と勧められて。周囲の意見に従って一度は美容師になりましたが、どうしてもネイリストへの夢を諦めることができずにいました。
自分をごまかしながら働くことに限界を感じていた頃、たまたま知り合いから講師の仕事を紹介されました。それはキャビンアテンダントを目指す子たちに髪の結い方やネイルについて教えるというもの。これは良いきっかけかもしれないと承諾し、3年間務めました。その後、念願叶ってネイルサロンに転職。ようやくネイリストとしてのキャリアをスタートさせることができました。

あらゆる美が叶うサロン

大手のサロンなどで経験を積んで、独立したのは今から2年半前です。最初はアパートの一室で一人でやっていて、2022年4月に現在の場所に移転しました。ネイル、マツエク、まつ毛パーマ、眉スタイリング、ハイフとさまざまなメニューをご用意しています。自分が好きなもの、やりたいものを全て叶えたら、こんなに増えちゃった、という感じです（笑）
ネイルのお客様は、ご家庭を持ちながらフルタイムで働かれている3、40代の女性がメイン。ストレスの多い毎日の中で、きれいに塗られた爪を見ると元気が出る、頑張るためのモチベーションになるとおっしゃってくださいます。パソコン仕事などをしていても、爪って常に目につきますよね。それがキラキラ輝いていると、やっぱりテンションが上がると思います。ネイルデザインはスタッフで考えたサンプルの中から選んでいただいたり、持ち込みデザインも歓迎です。私が好きで得意なのはナチュラルなオフィス系ネイル。スタッフの１人はガーリー系、もう一人は個性的なアート系デザインが得意。その年の流行や季節感を取り入れながら、それぞれの個性を生かして幅広いデザインをご用意しています。

デザインのヒントはお客様との会話の中に

お客様の中にはおしゃべりを楽しみに来てくださる方もいます。近況報告やお友達の話、家庭の悩みを話してストレス発散する方も（笑）。ネイルの施術中はお客様の方もスマホを触りにくいし、向き合って喋るしかないという状況。それが何年も続くと、やっぱり距離感も近くなりますよね。実は私自身は自分の話をするのは少し苦手なタイプなんです。だからもっぱら聞き役。ですが、お客様のちょっとした言葉からデザインのヒントをいただけることも多いので、色々なお話を聞かせていただいています。例えば会話の中「この方は思ったよりも大胆な性格かも」と感じたら、ストーンは少し大ぶりのものにしてみるとか、ディズニーに行くという話があれば、ストーンでミッキー型を作ってみたりとか。何度も通ってくださっているお客様は好みも分かってくるので、私なりのアレンジを加えてご提案することもあります。もちろんご新規のお客様の場合は、一つひとつ細かくお伺いしながらご希望のデザインを作っていきます。繰り返しご利用いただいて関係を積み重ねていくほど、ご要望のイメージに近づいていきやすいというのはあるかもしれませんね。

お客様に会えることが本当に楽しい

最近、仕事ばかりで友達に会えていないんですけど、不思議と寂しくないんですよ。それはお客様との距離がすごく近いからで、毎日お友達に会っているような感覚なんです。皆さん私のことを「なおちゃん、なおちゃん」と呼んでくださって、私もお客様を下のお名前で呼ばせていただいています。お客様の中には毎回手作りのお弁当を作ってくださって「出前館でーす」って言いながら入ってこられる方もいるんですよ（笑）。「なんか食べたいものがあったら言いなさいよ」って。そんなことがあるので、お客様に会うのが本当に楽しみ。これがネイリストという仕事の魅力なのかなと感じています。ネイリストとお客様は本当の友達でもなく家族でもない、不思議な関係だと思います。友達や家族にはできない、この関係だからこそできる話がきっとあるんだと思います。

爪のトータルケアで地域に貢献したい

今は次の行動に向けて準備中です。トレンドを追いかけたり新しいデザインを考える仕事は若いスタッフに任せて、私自身は爪の基礎に立ち戻ろうと考えています。今、少しずつ話を進めているところですが、地域の高齢者ケア施設で利用者さんに向けたサービスを提供していきたいな、と。体が不自由になって歩かなくなると巻き爪になりやすくなりますし、高齢の方の中にはすでに爪の病気になっている方も多数いらっしゃいます。それに女性は何歳になっても綺麗してもらえるとうれしいもの。月に１度くらい施設を訪問してマニキュアや爪のケアをさせていただくことを目標にしています。そのためにフットケア専門の先生の元へ通って、爪のケアや巻き爪などの病気について１から勉強をしているところです。
たまたまこの十日市場という地でお店を始めて、地域の皆さんにご利用いただいています。これからもこの地域で、お役に立てればうれしいですね。一緒にお店で頑張ってくださる、ネイリストさん、アイリストさんも募集中です！