奥津 守 代表(お茶 奥津園)のインタビュー

お茶 奥津園 奥津 守 代表

お茶 奥津園 奥津 守 代表 MAMORU OKUTSU

創業から百有余年。25歳の時に三代目として家業を受け継ぎ、現在にいたる(JR横浜線/横浜市営地下鉄グリーンライン「中山駅」より徒歩1分)。

百有余年の伝統を受け継いで

祖父が鶴見で始めたのが最初と聞いています。関東大震災の時にお店の前にあったお茶の甕(かめ)が道に転がったと聞きましたから、かれこれもう百年以上続くということになります。その後、戦争で強制疎開を余儀なくされ、中山でお店を開いたのが1948年(昭和23年)のことだったそうです。都心で働いていた私がこちらに戻ってきたのは、25歳の時。当時、新しく駅ビルが建ち、そちらに出店するタイミングでした。言わば、家業を継いだ形になったわけですが、以来38年、お店に立ち続けています。

量り売りへのこだわり

長くやっていることもあり、お客様は中山はもとより、隣の鴨居、十日市場、そして長津田からもいらっしゃっています。父の代からの方はもう80歳、90歳というお歳になりますが、昔からのお客様は、量り売りを希望されます。中には、「量り売りじゃないとだめだ」という方もいらっしゃいますね。ずっと眺めておられるわけではないですが、とにかく目の前で量ってもらいたい。見ることでが安心感が高まるということもありますよね。

静岡・金谷の信頼できる製茶工場から

当店で扱っているお茶の8割以上が静岡・金谷の懇意にさせていただいてる製茶工場のものになります。父の代からの付き合いになりますから、もう一緒にやっているという感覚でしょうか。「お茶」というものは分業制です。まずお茶農家さんが茶畑を管理し、茶を摘む。摘んだ茶はすぐに茶荒工場に運ばれ、次に製茶工場で仕上げられ、それが製品となり、私たちのような小売業者が販売をするという流れになります。生産者と仕上げ業者、小売業者がそれぞれに責任を持って仕事を成し遂げ、お茶が世に届けられるわけです。

手摘みであったり、機械にしても丁寧に刈るなどで原料の良し悪しが分かれ、それによってお値段も決まってきます。工場の人たちからすれば、お茶っ葉をみればすぐにわかるでしょうね。ところで、茶業に関わる全国の青年団を対象とした競技大会があります。利き茶のようなもので、飲むだけではなく、茶葉を見る目などを養い、競っていくものです。私がそちらから認定証をいただいたのは40代の頃のこと。青年団ですから、もうずいぶん前のことですね(笑)。新しい仕入れを行うには、茶葉を見て、香りや色を見極める必要があります。その点では、若い頃の修行も役に立っています。

お茶の本当の美味しさを味わってもらいたい

ひと昔前は、商店街に二軒、三軒、お茶屋さんがあるのは珍しいことではありませんでした。それが今や、緑区全体を見ても、お茶の専門店はうちくらいではないでしょうか。それだけ急須で淹れたお茶の本当の美味しさをご存知の方が少なくなってきているということかもしれません。急須の中で茶葉が広がり、それによっていい味が出てきます。その過程を飛び越してティーパックなどになりますと、やはりどうしても味が損なわれてしまいます。もちろん、ティーパックにしてもペットボトルにしても、手軽に飲んでいただけるというメリットがあります。同時に、手間暇かけたお茶の本当の美味しさもみなさんに知っていただけたらこの上なく幸せに思います。

地域のみなさんへメッセージ

商店街の危機が叫ばれて久しくなりました。特に、コロナ禍の3年の間は大変厳しく、ここ中山も例外ではありません。地域を盛り上げていく上で、私たち商店街がお役に立てることは少なくないと思っています。地域の方に商店街を身近にご利用いただけるよう、今後も努力を続けてまいります。

お茶はノンカロリーで、身体に良いものです。手間はかかりますが、本当に美味しいお茶を飲んだ時の気持ち良さは、他に例えようのないものと思っています。これまでお茶と親しむことが少なかった方も、どうぞこれを機にお茶にふれる機会を得ていただければと思います。

 

※上記記事は2023年6月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

お茶 奥津園 奥津 守 代表

お茶 奥津園奥津 守 代表 MAMORU OKUTSU

お茶 奥津園 奥津 守 代表 MAMORU OKUTSU

  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味・特技: エレキギター
  • 好きな映画: 「ドリーム」、「グリーンブック」、「ショーシャンクの空に」
  • 座右の銘: 「筋道は大切に」「継続は力なり」
  • 好きな音楽: ブルース
  • 好きな場所・観光地: 海/逗子・葉山

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