ちはら小児クリニック 茆原 博志 院長 HIROSHI CHIHARA
広島大学医学部卒業。聖マリアンナ医科大学における研修にて当時の小児科担当教授の薦めもあり、聖マリアンナ医科大学の小児科に所属。小児科にて腫瘍学を専攻し、小児がんや白血病治療分野にて活躍。聖マリアンナ医科大学において28年間の勤務を経たのちに、平成14年、霧が丘にちはら小児クリニック開業。
広島大学医学部卒業。聖マリアンナ医科大学における研修にて当時の小児科担当教授の薦めもあり、聖マリアンナ医科大学の小児科に所属。小児科にて腫瘍学を専攻し、小児がんや白血病治療分野にて活躍。聖マリアンナ医科大学において28年間の勤務を経たのちに、平成14年、霧が丘にちはら小児クリニック開業。
実は、私は医師になる前に、東京大学の理系に入学しているんです。ただ当時は学園闘争のさなかでして、色々なことが重なり、結局2年の時に大学を辞めてしまいました。そこで改めて、将来を友人と語ったり、自分自身で見つめなおしたりする中で最終的に医者を目指すことにし、広島大学の医学部に再入学しました。
地元で父が医者をしていたという影響もあり、チャンスがあれば医者になりたいと思いを抱いていたということもあります。父の医者として朝から晩まで働き、夜中でも往診に向かう姿は、子供ながらに尊敬をしていました。一生懸命に仕事に打ち込む父の姿から、人として、医師としての姿勢など、人生における大事なことの多くを学び取ることが出来ました。
研修医として訪れた、聖マリアンナ医科大学での出会いがきっかけです。大学6年の実習の時に、小児科の白血病患者を集めた病室を訪れる機会がありました。すると、部屋を前にして、指導医より「ここからは入るな。」と言われまして。その部屋には、まだまだ小さな2歳から6歳までの子供たちがいました。そこで、この子たちは助かる見込みはなく、いずれは亡くなってしまうということを知らされ衝撃を受けました。その時に「自分はこの子たちを助ける医者になる」と決意しましたんです。小児科を専攻し白血病臨床を続けてきたのは、この時の経験がきっかけです。この出来事は今となっても忘れられませんね。
このクリニックと同じ建物に入居している薬局の方より、お誘いを受けたのがこちらに開業をしたきっかけです。また、こちらの地域には近くに聖マリアンナ医科大学や昭和大学などの大学病院があるということも理由の一つです。小児科の地域医療においては、お子さんが訴えている症状から、さらに大きな病院へ行くべきか?クリニックで出来る治療範囲か?を、適切かつ迅速に判断を行うことが求められます。ほんの少しの危険な兆候を見逃してしまうと、のちに重大な結果を招く恐れもあるわけです。だからこそ、地域医療が担う役目は非常に重要です。その判断は、これまで小児科医として培ってきた知見や経験がものをいう場面が多々あります。そして、どんな小さな病気の兆候も見逃さないことに、今までの自分の経験が生かせるものと考えています。
今までに小児がんや白血病の治療でかかわった患者さんの成長を見守ることが日々の喜びです。当時の患者さんが、お母さんになってお子さんのお写真を送ってくれたり、結婚式に呼んでくれたりと、人生を通じて交流を続けて頂けるのは、とても嬉しいことですね。時には人生における悩みの相談に乗ることもありますし、本当に様々な相談が来るんです。なかにはガンが再発してしまい、再び苦しい思いをする患者さんもいます。そういった知らせには、胸が締め付けられる思いに駆られますが、私自身としてもアドバイスや励ましの言葉をかけるなど出来る限りのサポートを尽くしています。現在では、地域医療に携わる身となりましたが、これまでの経験を生かし、引き続き子供たちの健康を守っていきたいと考えています。
これからは「予防」がキーポイントになっていくと思います。その例として、「予防接種」がありますよね。皆さんもご存じのように、予防接種は感染症の防御・制圧に対して大きな効果があります。ですので、予防分野に注力することで、日常お子さんが病気にかかるリスクをグッと下げることが出来るわけです。一人でも多くのお子さんが、病気にかからず、そして元気に毎日を送ることが私の願いです。また、病気にかからないように過ごす上では、「心の健康」の重要ですね。親御さんたちには、よくよくお子さんのことを見てあげてくださいね。
私も地域の小児科医療を担う身として、日々力を尽くしていきたいと考えています。もし、少しでもお子さんの様子で気になるようなことがあれば、すぐにご相談にいらして頂きたいと思います。
※上記記事は2021年11月に取材したものです。
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