岸田屋酒店 岸田 秀幸 代表取締役 HIDEYUKI KISHIDA
横浜市緑区長津田出身。長津田で70年以上続いている酒店の3代目。「自分が一生飲み続けたい」と自信を持ってお勧めできる日本酒のみを厳選して取り扱っている。(JR横浜線、東急田園都市線 長津田駅より徒歩すぐ)
横浜市緑区長津田出身。長津田で70年以上続いている酒店の3代目。「自分が一生飲み続けたい」と自信を持ってお勧めできる日本酒のみを厳選して取り扱っている。(JR横浜線、東急田園都市線 長津田駅より徒歩すぐ)
長年、長津田の地で商売を営んでいる家に生まれ、商売屋としては4代目、酒屋としては3代目になります。小さいころから酒屋の世界にいたこともあり、いずれ自分も酒屋になるんだろうなと。小学校低学年のころに京都の酒蔵の社長さんから「お父さん、お母さんの跡を継いで立派な酒屋さんになってね」と言われたことをよく覚えています。酒屋としては70年以上続いている店ですので、だんだんと世代交代しているとはいえ、昔からのお客様も多いですね。
当店は、生原酒や熟成酒などに特化した少々マニアックな日本酒が揃っている地酒専門店です。お酒を扱うなら生産者の顔を見て、その酒蔵の考え方に共感できるお酒を販売したいという思いから、地酒を扱うようになりました。地酒問屋さんを通じて有名どころや人気銘柄など全国各地の地酒を数多く揃えていたこともありましたが、今から30年ほど前に今まで自分が出会ったことのない美味しさのお酒に出会い、衝撃を受けたのをきっかけに、今の品ぞろえの基本、酒蔵とのお付き合いの仕方が決まりました。
自分は、原料である米の旨みが感じられる日本酒が好きなんですが、それを味わえるのが生の原酒だと思っています。それに加えて、よく言われる淡麗辛口ではなく濃醇旨口のお酒。しっかりと熟成したところで飲むと本当に美味しんですよね。そういった自分が実際に飲んで美味しいと思ったものをお客様に伝えたいと思い、生原酒や熟成酒をメインにした品ぞろえになっています。というのも、実はもともと自分はお酒が飲めない体質だったんです。酒屋と言うと「たくさん飲みそう」と言われるんですけど、最初はビールをコップの3分の1くらい飲んだら顔が真っ赤になって動悸がするくらい。どのお酒を飲んでも美味しくなくて(笑)、これはダメかなと思ったときもありました。でも、あるとき甘いドイツワインに出会って、「これなら美味しく飲めるかも」と。そこから少しずつ飲めるものを増やしていってワインから洋酒、そして生原酒や熟成酒といった日本酒にたどり着いたんです。だいぶ遠回りしましたけどね(笑)。ですから、自分のように美味しいお酒に巡り会ってほしいという気持ちも強いです。
自分が全国の酒蔵を周り、厳選した約20蔵の地酒を取り扱っています。なかには、オーダーメイドでタンク1本、うちの店のために作っていただいているお酒もあります。ただ単に希少価値が高い、珍しいというだけではなく、自分が納得して自信を持っておすすめできるお酒をお客様に届けたいと思っているので、そのために酒蔵さんとのお付き合いも大切にしています。長年の付き合いのなかでは、私が好きそうなお酒が出来たら連絡をくれるところがあったり、横の繋がりで情報をいただいたりと、新しい出会いが生まれることも多くなっています。
当店は、全国の地酒が何でもあるという酒屋ではないですが、私がこだわって何十年も集めた美味しいお酒が揃っています。飲めば必ず美味しさが分かってもらえると思いますので、ぜひ一度試していただけたら嬉しいです。今はちょっとお休みしていますが、併設の立ち飲み屋では当店の日本酒を1杯から提供しています。それに合わせての料理も、大したものではないのですが「ペアリングするとこんなに美味しくなるんだ」という発見をしていただけるものを出しています。立ち飲み屋がお休みの間は定期的にイベントもやっていますし、お酒やそれに合う料理やレシピ情報はYouTubeでも配信していますので、HPやSNSとあわせてチェックしてみてください。
※上記記事は2022年1月に取材したものです。
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