小野 文明 院長（三保町内科・循環器クリニック)のインタビュー

一人の医師として、人々の「生命」と「健康」を守りたい

生命と健康。この2つは、全人類が大切にしている価値観ではないでしょうか。生命と健康にかかわる医師の仕事は、日々重大な責務を負うことになります。しかし一方で、人の役に立てる素晴らしい仕事でもあるのです。私自身、「誰かの役に立てる」という部分にやりがいを見出し、医師を目指すようになりました。

自分の専門に「循環器」を選んだのは、2つの理由がありました。1つは、小学生のころに祖父を心疾患で亡くしていること、もう1つは大学でお世話になった先輩が循環器を専門になさっていたことです。人生に影響を与えてくれた「人との出会い」が私の財産になりました。

駐車場・プレイルーム完備。親子3代で通えるクリニック

開業前は大阪にある国立循環器病センター、横須賀市立市民病院や横浜市立大学附属病院などで診療や研究を行っていました。そうして約12年にわたり経験を積み、『三保町内科・循環器クリニック』を開設したのは2009年です。循環器の中でも私が専門にしていた「肺高血圧症」に対する内服薬が開発され、クリニックにも治療の道が開けたことが一つのきっかけになりました。

「地域のみなさまに必要とされるエリアはどこか？」とリサーチをして、ご縁があったのがこの場所でした。駅からは離れるものの、患者さん用の駐車場（16台）もご用意でき、南向きの待合室にはたっぷり日差しが入ります。院内は段差のないバリアフリー仕様となっているほか、小さなお子さんのためのプレイルームもご用意しています。ワクチンが始まる生後2ヶ月ごろから、保護者世代、祖父母世代と、親子3代、4代そろって足を運んでいただければと思います。

適切な検査と早期介入により、大きな病気を未然に防ぐ

待合室は、受付を中心に向かって右側が「内科」、左側が「小児科」という感じにゾーン分けしていて、内科では生活習慣病の管理や各種健康診断（横浜市の特定健診・各企業の定期健診）などを承っています。健康診断では、血圧や血糖値などを測定しますが、必要な場合には早期に治療を始めることが大事です。血圧・血糖値・コレステロールなどをきちんと管理することにより、何十年後に発症するかもしれない大きな病気を予防できるからです。コレステロール値が高く、薬を服用する必要があるか・ないかで迷うようなケースでは、超音波（エコー）検査によって頸動脈の状態を確認するなどして臨床的な判断をしています。予約制ではありますが、当院では週に2日、各種超音波検査を実施しておりますのでお問い合わせください。

診察や検査によって診断をつけ、生活習慣病の治療が必要となれば、基本的にはガイドラインに沿った治療をご案内します。その際もそれぞれのケースにおいて、その患者さんにとって最も望ましい治療ができるようにしたいと思います。また、もしもカテーテル等大きな検査や治療が必要な場合には、近隣の基幹病院や大学病院へご紹介することも可能です。肺高血圧のカテーテルについては、私が大学に出向いて行うこともできますし、患者さんの声を病院へ届けるパイプ役を担うこともできるでしょう。

食生活や生活環境も考慮して、1人1人に適した治療を提案する

この場所にクリニックを開いて十年余りが経ち、開業当初からお付き合いが続く患者さんの中には、80代を超える方も少なくありません。年齢を重ねるにつれて病気の数も増え、お薬の数も増え、他科の先生方と連携する機会も増えました。いわゆるポリファーマシー（多剤併用）状態の患者さんのお薬を整理したり、ときには医療機関に加えて介護施設などともコンタクトを取ったり。ご高齢の患者さんに限らず、患者さんの生活背景を考慮しながら診療することは、かかりつけ医として大事な役割なのだと思います。開業当初に掲げた「この地域に暮らす方々の健康寿命を10年延ばす」という目標も、少しは達成できたでしょうか。

前期高齢者までは、昔から言い伝えられる「腹8分目」「食べてすぐ横にならない」といったことは、健康を守るためにとても大事です。食べる順番に気を配ったり、十分な睡眠や適度な運動を心がけたりすることで、生活習慣病を遠ざけることができるでしょう。特に、塩分を摂り過ぎると心臓のみならず、腎臓に負担がかかり、高血圧や慢性腎臓病につながる恐れがありますので注意していただきたいですね。当院も時代の流れに合わせて設備や医療を充実させ、大きな病気の発症・再発予防、介護予防のために力を尽くしたいと思います。

これから受診される患者さんへ

コロナ禍にあっても患者さんに安心して受診していただけるよう、温度計やアルコール消毒はもちろん、待合室の座席を1人ずつパーテーションで仕切ったり、一定間隔で空気清浄機を配置したり、さまざまな工夫をしています。中でも一番大事にしているのが「常時換気」で、雨の日でも気をつけながら常時窓を開けているようにしています。また、新型コロナ感染症については、駐車場を活用してドライブスルー形式（非接触型）のPCR検査も実施しています。週末の土曜日にも診療を行っておりますので、何か気になる症状がみられましたらお気軽にご相談ください。

※上記記事は2021年10月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。