矢嶋 裕香 院長(裕香整形外科)のインタビュー

裕香整形外科 矢嶋 裕香 院長

裕香整形外科 矢嶋 裕香 院長 YUKA YAJIMA

愛知医科大学医学部卒業後、東海大学付属病院整形外科に入局。国立療養所神奈川病院(現・独立行政法人 国立病院機構神奈川病院)、横浜新緑総合病院、さがみ野中央病院で整形外科全般について学び、様々な臨床経験を積む。2015年、長津田駅近くに裕香整形外科を開院。2019年7月に長津田駅北口近くに移転。

よりご利用頂きやすいよう、施設を拡大しリニューアルオープン

私は小学生の頃から器械体操をしていたので、将来は体育の先生になりたいと思っていた時期もありました。中学三年生の時、大きな試合に向けた練習中に肘を脱臼してしまい、たまたま現場に居合わせた整形外科の先生に整復してもらう、というような出来事がありました。それがきっかけとなり、整形外科医に憧れ、現場で人の役に立つ医師の道を目指すようになりました。愛知医科大学医学部卒業後、スポーツ整形にも携わりたいという思いで、東海大学付属病院整形外科に入局。整形外科全般について学び、様々な臨床経験を積み、 国立療養所神奈川病院(現・独立行政法人 国立病院機構神奈川病院)では 関節リウマチなどの症状に対する治療のノウハウを学びました。横浜新緑総合病院では約9年間専門分野に限らず、外傷やスポーツ整形外科を含む多岐にわたる症状の診療や手術に携わり、さがみ野中央病院では骨粗鬆症治療の実績を重ねました。もっと地域に根差した医療に関わりたいという思いから、2015年、長津田駅近くの西口さくらクリニックモール内に裕香整形外科を開院しました。開院から4年が経ち、大変有難いことに開業前からお付き合いのある患者さんだけでなく、こちらの地域の患者さんも増え、クリニックが手狭になりましたので、駅周辺での移転を考えていたところ縁あって良い場所に恵まれ、2019年7月に長津田駅北口近くにリニューアルオープンしました。1階は整形外科、2階はリハビリテーションとスペースを分けたことで、以前より広々とした空間でご利用頂くことができるようになりました。院内はバリアフリー設計で2階への移動にはエレベーターを完備しています。敷地内に3台分の駐車スペースがありますので、お車での来院も可能です。

 

整形外科の幅広い症状から、インソール療法、リハビリテーションも

様々な症状の中でも、膝や腰の痛みを訴えるご年配の方、運動による捻挫・肉離れや成長期に関わる障害で来院されるお子様が多くいらっしゃいます。骨粗鬆症の治療で定期的に通われている患者さんも多く、地域の方だけでなく、整形外科で女性医師を求めて遠方からお越しになる方もいらっしゃいます。当院の特徴の一つに、インソール療法(足底板療法)があります。整形外科医になり、さらに専門性を高めるのであれば下肢に携わる治療をしたいと思っていたところ、インソール療法に長けた理学療法士と出会い、開業のタイミングで診療に取り入れ現在に至ります。年齢問わずご利用頂くことが可能で、お子様であれば歩容や扁平測、大人の場合には外反母趾、加齢に伴う足裏アーチ変形の補助、膝・股関節・腰が悪いなどの症状がある方にお使い頂くケースが多くみられます。足は全身を支える重要な土台となる部分ですので、下半身を安定させるためにオーダーメイドでインソールを作成し使用することで、痛みや症状の緩和に繋がります。特に腰から下の症状に対しては比較的効果が高いと言われています。一足の靴に対してインソールを一対作成するので、「靴のサイズが変わった」「靴を買い替えた」などのタイミングや、継続的に半年~1年くらいのスパンで作成を希望される方もいます。一般的には装具業者に依頼して作成することがほとんどですが、当院では理学療法士が足の測定からインソール作成まで一貫しておこない、保険診療にも一部適応しています。また、当院では保険適用の漢方薬の処方もおこなっています。もともと肩こりがひどく、慢性の胃痛持ちだったので、自分自身の体調を整えるために漢方を学び始め、現在では患者さんへの診療にも取り入れています。漢方薬は内科や消化器科の症状の際に服用するものと思われがちですが、実は関節痛、筋肉痛、神経痛、腰痛、下肢の痺れに効く漢方薬もあります。冷えが末端の痛みや痺れの原因になることもあるので、血流を良くする漢方薬、足がつる、こむら返りに効く漢方薬など、それぞれの症状に合った漢方薬があります。一般的な痛み止めなどの西洋薬で効き目が感じられない場合に漢方薬を服用すると劇的に改善することも。もちろん、全ての症状に対して効果があるわけではなく、人によってお薬の相性はありますが、治療の選択肢は多い方が良いので漢方薬の処方も積極的におこなっています。また、整形外科で受診をされて、お薬の服用と共に運動療法が必要な場合は、リハビリテーションの利用をおすすめしています。 例えば、肩に痛みがあり腕が上がらない、いわゆる「五十肩」と呼ばれる症状でお困りの方は、痛みと動きを改善するための治療として、診療とリハビリテーションを併用しておこなうことである程度改善される方が多く、一番の近道と言えます。当院2階では訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションにも対応していますので、お気軽にご相談下さい。

患者さん一人ひとりに合った骨粗鬆症の治療と予防

もう一つの特徴は、骨粗鬆症の治療に力を入れていることです。男性は加齢と共に緩やかに骨密度が減っていく一方、骨粗鬆症は圧倒的に女性に多く、閉経後に急激に骨密度が減少します。当院は、大学病院と同じレベルの精度の高い骨密度測定装置を導入しています。とは言え、骨密度だけでは骨粗鬆症の治療薬を判断することはできず、患者さんの日常生活や家族背景によって骨の状態は異なります。そのため採血による骨代謝マーカーを用いることで、骨の形成・吸収の状態や、ビタミンDの含有量など骨の状態を詳細に調べ、その上でどのような薬が患者さんに合うのか考え、オーダーメイドの治療をおこなっています。骨粗鬆症の治療薬はどんどん進化しているので、常に新しい情報を取り入れアップデートをして、良い治療を患者さんに提供できるように心がけています。早いタイミングで骨密度や骨代謝マーカーなどの検査をすることで、現状を知り、データを残すことができるので、進行具合の予測ができます。骨折してからの検査より、骨折しないための予防が大切です。骨粗鬆症を予防するため、日光浴、ビタミンDを多く含むサプリやきのこ類や干物などの食品から摂る食事療法、運動療法などの指導をしています。ビタミンDには骨の質を高め、筋肉を強化し、骨折をしづらくする、ふらつきを抑えるなどの効果がありますが、日本人は圧倒的にビタミンDが不足しているので、積極的に摂取するようお伝えしています。日本骨粗鬆症学会認定医をとして、骨粗鬆症マネージャーの資格を持つ看護師と力を合わせ、患者さんの診療にあたっております。

スポーツドクターとしての活動、健康増進を目的としたセミナーも

当院では、「患者さんに優しい診療、リハビリテーション、環境」を診療理念に掲げています。同じ症状であっても、患者さんによって処方するお薬や、運動療法の指導の仕方は異なりますので、患者さん目線でお話をよく伺い、その方が望む治療を心がけています。お薬やリハビリだけでは不完全で、患者さんが日常生活で意識的に動かしていくことが大事です。また、高校生までは器械体操、大学ではバスケットボール、社会人になってからはゴルフなど様々なスポーツに触れてきたので、これまでの経験を活かし、スポーツをしている方へその方に合う運動の指導、神奈川県体育協会では講師として、中学生の器械体操強化選手・コーチ・ご家族の方に対してケガの予防についてのお話をし、医事相談にも対応しています。患者さんを対象にしたご家族で参加できる無料セミナーを定期的に開催していますので、今後も地域の方の健康への関心を高めるお手伝いができればと思っています。

これから受診される患者さんへ

整形外科以外の診療内容であっても、体調面で気になることがあれば何でもご相談頂きたいです。整形外科の中でもより専門的な治療を必要とする患者さんへは経験豊富な医師を紹介していますので、まずは最初の窓口として安心してお越し下さい。歳を重ねても元気でいるためには、日々の運動が大切です。一日5000~10000歩歩くことが理想的です。家の中で動くのと外を歩くのでは活動レベルが全く違いますので、なるべく外に出て歩くことを習慣づけ、屋外活動を楽しんで頂きたいと思います。

※上記記事は2019年9月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

裕香整形外科 矢嶋 裕香 院長

裕香整形外科矢嶋 裕香 院長 YUKA YAJIMA

裕香整形外科 矢嶋 裕香 院長 YUKA YAJIMA

  • 出身地: 東京都
  • 趣味、特技: ゴルフ、映画観賞
  • 好きな本: オールジャンル
  • 好きな映画: アベンジャーズなどのマーベル映画、スターウォーズシリーズ
  • 好きな言葉: Where there's a will,there's a way(意志あるところに道が開ける)
  • 好きな音楽: ゴスペラーズ
  • 好きな場所: ハワイ

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