羽生 友紀子 代表(ココショク-日本の手仕事雑貨)のインタビュー

ココショク-日本の手仕事雑貨 羽生 友紀子 代表

ココショク-日本の手仕事雑貨 羽生 友紀子 代表 YUKIKO HANYU

大阪府出身。一般企業で営業職に従事していた際に日本のものづくりに惹かれ、独立。職人・作家の商品に特化したECショップ運営する合同会社ココショクを設立。22年には十日市場にショールーム兼ショップをオープン(JR横浜線「十日市場駅」より徒歩約3分)

日本のいいものを届けたい!という思いで独立

もともと一般企業で営業をやっていたんですけど、その会社がネットショップを立ち上げることになり、それをきっかけに展示会に行くようになったのが始まりだったように思います。最初に出会ったのが、包丁。いわゆる刃物類だったんですけど、当時そこのネットショップは日用品がメインだったので「取り扱いたい」と言っても「売れるの?」と一蹴されてしまって。でも、どうしてもそういった日本のいいものを取り扱いたい、という気持ちが強くなり、独立することに。最初はネットショップオンリーだったんです。私がいいと思った日本の工芸品や雑貨を北海道から沖縄まで、全国の方に伝えることができるのはオンラインしかないかなと。その後22年には、十日市場にショールームを兼ねたショップもオープンしました。ネットショップで購入する前に商品を手に取ってみたい、というご要望にも対応できるようになりましたし、ネットショップで販売していない品物も置いてあります。

もっと広く日本のものづくりを知ってほしい

ココショクを立ち上げて以降、ずっと日本のものだけを取り扱うお店を運営してきましたが、そのなかで日本のものづくりを支えていきたい、というように思考が変わってきました。当社で扱う品物は作り手さんと必ずお話してから、と決めていますが高齢化が進んでいて、後継者がいなかったり、もうからないからと廃業してしまったりするところも結構多いんです。日本のものづくりって、注目されているとか、クールジャパンとか言われることも多いですが、実は全然そんなことないんですよね。もっと広く知ってもらって、ちゃんともうかる仕組みを作っていかないと若い方も参入したいと思わないし、10年、20年経ったときに売るものがなくなっちゃうと感じました。そのためにも、そういった商品があるということをもっと広くたくさんの方に知っていただきたい。まずは買ってくださるお客さまがいないとこれ以上続いていかないと思いました。地産地消と言いますけど、地産できても地消できるところが少ないんですよね。そんなところも、当社がこうやってリアルなショップを構えることで解消するお手伝いができればと思っています。

セレクトの基準は“用の美”

仕入れるときに意識しているのは、まず素材。あとは、お皿やお茶わんがあったらお箸も必要かなというように、暮らしに役立つものが基準になっています。美術品や工芸品というよりは、実際に使っていただけるもの。生活に取り入れていただけるものですね。業界では“用の美”と言うんですよ。道具の美しさ。それは結構決め手になっています。すごくいいものでお値段が高いものって多いと思うんですけど「ちょっと使うのもったいないよね」と、たんすの肥やしじゃないですけどあまり使ってもらえないこともあるのかなと。それよりも気軽に使っていただけて、長持ちするもの。使い勝手やデザインが考えられているものを意識して取り扱うようにしています。
当社のオリジナル商品もあるんですよ。例えば、ステンレスで作ったパズル。タングラムという知育パズルなんですけど、木や紙のものはたくさんあるけどステンレスは見かけないなと思って企画しました。町工場さんの技術を活かして、こうやってオシャレなものを作っていける可能性がある。古くあるものそのままでもいいと思いますが、現代に即したデザインアップをしていきながら、新しい魅力的な商品に生まれ変わっていくこともお手伝いしていきたいと考えています。

商品のバックグラウンドやストーリーを知ってほしい

私やスタッフが「これはいい!」と思うものだけを扱っていて、必ず現地に赴いて背景やストーリーをお伺いするようにしています。それをしっかりとご紹介するのも、こだわりのひとつです。決して安いものではないので、納得して買っていただくためにも必要なことだと思います。もちろん私自身も勉強を重ねています。木を使った商品も多いので、木に関しては日本全国スギダラケ倶楽部という森林業界の組合にも入っているんですよ。そういった知識を得るうちに、最近は国産材のシェアをもっと上げるためにはどうしたらいいのかなとも考えるようになりました。日本のものづくりは全てが繋がっているので、そういった部分もちゃんとお伝えして、考えていけるショップで在りたいとも思います。

将来的には47都道府県各地のいいものを

人気があるのは、伝統銅器の商品。「新光堂」という60年以上続いている老舗のものを取り扱っています。ここは、昭和の時代からデザインが変わっていないのがいいところですね。純銅製マグカップなどは人気カフェでも採用されていますし、贈答用に買われる方も多いシリーズです。最近はアウトドアでも使われているので、若い世代の方も興味を持ってくださっているのかなと感じています。世代問わず、興味を持ってもらえるものを今後も取り扱っていきたいです。将来的には、47都道府県それぞれのいいものを扱うこと。現状、3分の2くらいしか網羅できてないので、もう少しですね。今後まだまだ増えていくことを期待していただきたいです。また、十日市場や緑区を盛り上げていきたという気持ちもありますので、気軽にお越しいただけたらうれしいです。

 

※上記記事は2023年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

ココショク-日本の手仕事雑貨 羽生 友紀子 代表

ココショク-日本の手仕事雑貨羽生 友紀子 代表 YUKIKO HANYU

ココショク-日本の手仕事雑貨 羽生 友紀子 代表 YUKIKO HANYU

  • 出身地: 大阪府
  • 趣味: ゲーム
  • よく読む本・愛読書: 図鑑
  • 好きな映画: 『善き人のためのソナタ』
  • 好きな音楽: ハードコアロック
  • 好きな場所: 会社

INFORMATION